正義の大人たち
あの頃、警察官も学校の先生も格好良かったと思う。
警察官や学校の先生だけではない。
子供だった俺の目から見て、大人たちは皆、格好良く見えた。
誰もが厳しく、そして優しい、善意の人たちであった。面白い人たちも沢山いた。
自分もいつかは大人になる。
そんなことは頭では分っていても、いつまでも届かぬ夢の世界だと思われた。
未来は永遠に続くはずであった。
そんな俺もいつの間にか大人になった。
これを読んでくださる皆さんもきっと大人であろう。
あの頃の大人たちも、いずれ時間が限りあるものであることに気が付いたとき、大人になる過程で愛を知り、哀しみを知ったとき、子供たちを育て、子供たちの未来を信じ、夢を与えようと考えるほどの良識は持ち合わせていたのではないか。
必ずしも自身が描いていた未来の自分になれた人たちばかりではなかったはずである。
きれいなばかりの世の中でもない。
どんな仕事であれ、自分に嘘を付かず、誇りを持って取り組んでいける限り格好良くはなれる。
今、警察官や学校の先生が格好悪いとは言わない(【深堀りポイント2】※いずれ他記事でもう少し掘り下げます)。
テレビに愛がないとは言わない。実際に素敵な番組もある。
立派な人たちが沢山いるのも、必死に戦っている人たちがいるのも知っている。
だけれでも、正義の気持ちを忘れた人たちも沢山いるように思う。
社会の枠組みそのものを変えなければならないことは沢山あるであろう。
時代の変化を認めなければならないことも勿論ある。
が、同時に時代を作るのも、また変えるのも、そして今ある世界を未来に繋ぐのも俺たち一人一人であることを忘れてはならないのではないか。